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ギボシダイポールアンテナ製作(7/10/14/18/21/24/28MHz)

 2012-09-29
ギボシダイポールアンテナってご存知ですか?
通常ダイポールアンテナはひとつの周波数にしか使えませんが、エレメントの途中を運用したい周波数にあわせ切断したり接続したりすることができれば多くの周波数に出ることが可能になります。
切断・接続の方法としてギボシ端子を用いたものを「ギボシダイポールアンテナ」あるいは「ギボシアンテナ」などど呼んでいます。
ギボシダイポールアンテナの良さは、なんといってもフルサイズのアンテナで無線が楽しめることです。
20m程度のスペースがあれば7/10/14/18/21/24/28MHzが運用可能です。これなら都会でも河川敷やちょっとした空き地があれば十分設営できます。

今回初心者向けに(私も自作は初心者です)7/10/14/18/21/24/28MHz用ギボシダイポールアンテナの製作方法を紹介します。

--運用環境-- 重要!!
これ重要です。今回製作するアンテナは次のような環境下で使用することを想定しています。
   (1)給電点までの高さ:4.0~4.5m
   (2)エレメント端点の高さ:0.5m程度
給電点の高さは一般にHF帯を運用されている方より低いと思いますが伸縮ポールからの制約です。
また給電点の高さに0.5mの幅がありますが、これはEsシーズンではポールトップに50MHzの4エレをあげその下にギボシアンテナ用バランを取り付けるためです。
上記条件からはずれる場合(例えば 給電点までの高さ8m、端点高さ3mなど)は配線コードの長さ、同調周波数が変わってきますので注意が必要です。(多分全体的に短くなる方向なので大丈夫だとは思いますが・・・)

---準備するもの---
  (1)バラン(私はDAIAMONDの広帯域バランBU-50を使用)
  (2)配線コード(2.00sq程度) 26m(13m×2本)、
  (3)プラスティック板 1m(ギボシ端子の保持部分の絶縁体として使用)・・・ゴム板などでもOK
  (4)ギボシ 12セット(オス・メス各々12という意)以上 
  (5)結束子 24本以上(見た目を良くするために使うのでなくてもOK)
  (6)アンテナアナライザまたはSWR計(SWR計の場合調整に時間を要するのでアンテナアナライザを薦めます)
  (7)その他(半田ゴテ、ワイヤーストリッパー、ラジオペンチ、ニッパなど)

---作業---
作業は事前に準備できるものは屋内で作業し、実際の調整作業を屋外で行うのが効率的です。
屋内作業
(1)ギボシ保持部分の準備
20120928_0_convert_20120928153438.jpg
 プラスティック板を5cm単位でカットし、両端から1cm程度のところに配線コードがとおる
 大きさの穴をあけます。(DIYショップ等で電動工具をかりるのがいいです)
 これを12個準備します。
 周波数識別のために数字を書いたテプラを貼りました(1.9MHz → 1)。

(2)目標周波数に合わせた配線コードの準備
私はCWの運用が殆どなので目標周波数は下記のようにしました。
20120928_9.gif
 以前の実験結果で給電点4.5m、端点0.5mの環境下では同調周波数が計算値より高くなる傾向にあることがわかっているので、計算値に10%のマージンを加えています。
 差分を書いている理由は、28MHz調整→24MHz運用に必要な線材追加//調整→21MHz運用に必要な線材追加//調整・・・という作業を繰り返していくからです。

(3)ギボシ保持部と配線コードの接続
バランを介して下図のように接続します。
調整不要な個所は最初から固定し、調整部分はギボシ保持部に結ぶなどして仮止めします。
20120928_11.gif
20120928_2_convert_20120928141854.jpg20120928_3_convert_20120928141912.jpg










屋外作業
ここまでできたらあとは屋外での調整作業です。次の点に注意してください。
 ・できるだけ広い場所で行う
 ・実際の運用環境を模擬して調整する
 ・28MHzから調整する
調整手順イメージです。
20120928_13.gif
20120928_5_convert_20120928142008.jpg20120928_6_convert_20120928142026.jpg 












写真左: 
ギボシ保持部に調整側の
配線コードを結んだ仮止
め状態 
写真右: 
調整が終わりギボシをつ
けてかしめ接続した状態
抜け防止のためギボシは半田付けしましょう

私は各バンドとも3~4回ずつCut and Tryしたので調整作業に4時間ほどかかりました。
初心者でも屋内作業を含め2日間あれば十分できると思います。
参考までに今回の設計/調整結果は以下のとおりです。
20120928_14.gif

20120928_7_convert_20120928142044.jpg20120928_8_convert_20120928142113.jpg













---使用方法---
最後に使い方です。
28運用時:24~7全てのギボシ保持部ギボシを外す
24運用時:24ギボシ保持部のギボシを接続
21運用時:24/21ギボシ保持部のギボシを接続
18運用時:24/21/18ギボシ保持部のギボシを接続
14運用時:24/21/18/14ギボシ保持部のギボシを接続
10運用時:24/21/18/14/10ギボシ保持部のギボシを接続
7運用時:24~7全てのギボシ保持部ギボシを接続

澄んだ秋空のもと7バンドギボシダイポールアンテナを作ってフルサイズアンテナ運用を楽しんでみませんか?

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